福山市のフレンチレストランはL´ardoise(ラルドワーズ)

日本語とフランス語の共通点?

日本語とフランス語の共通点?

 

こんばんは。

ラルドワーズの武丸でございます。

 

長年フランス料理に携わってきましたので、

多少はフランス語に触れることになります。

喋れる訳ではありませんが、聞き取り位なら・・・

・・・これも出来ません(泣)

しかし、文法はメニューの作成等必要に迫られましたので多少は勉強しました。

 

・・・その勉強中にふと思ったのですが・・・

フランス語と日本語は、なんか似てるな~ってことなんです。

 

例えば、英語で言う所の、『I love you.』。

・・・日本語なら、『私はあなたを愛しています。』ですが、これがフランス語なら、

『Je t’aime.』(ジュテーム)となります。

 

ん?何が言いたいかって?

英語なら・・・『私は(I)』+『愛しています(love)』+『あなたを(you)』という順番で、

相手に言葉の情報が伝達される訳ですが、

日本語とフランス語の場合は・・・『私は(Je)』+『あなたを(tu)』+『愛しています(aime)』という順番になるわけです。

つまり英語は、『主語』+『述語』+『目的語』で、

日本語・フランス語は、『主語』+『目的語』+『述語』という順番。

 

『私はっ!』と宣言してから、英語の場合は『愛していますっ!』という自己の思考・行為を述べることによって、

その『愛していますっ!』の対象に対して、注意を喚起するという表現。

日本語・フランス語の場合は、『私はっ!』の後に聞いて欲しい対象(『あなたを』)を指定して、

あらためて自分の思考・行為を述べるという表現・・・

 

どちらが良い・悪いというわけではなく、もちろん優劣の対象になるわけでもありません。

当然例外もありますので、一概には言えないのですが、

相手に『伝える』表現方法の、このちょっとした違いが、人間関係にどのような影響を与えるのか、

とても興味深く思っています。

 

それでは皆さん

おやすみなさい・・・

 

P.S.

仕込中のシェフです。忙しい最中の一枚。

この笑顔は、余裕の笑顔ではなく、この忙しいときに何しとんじゃ!という怒りを含んだ笑顔です(汗)

 

 

 

サービス人のタイプについて・・・

サービス人のタイプについて・・・

店内写真01

 

こんばんは。

ラルドワーズの武丸でございます。

 

今日は、『サービス人の資質』についての考察を少々。

・・・この業界に限ったことではないと思うのですが、

私の経験から、サービス人は大きく2つのタイプに分かれるのではないかと思っています。

それは・・・

 

人が好きだから、人に接する仕事をする』人間と、

人に接するのが苦手だから、それを克服する為に仕事をする』人間。

 

・・・数年前でしょうか、『鏡の法則』という本がベストセラーになりましたね。

『人は、自分を映し出す“鏡”である。』・・・的な内容であったように記憶しています。

その法則に従えば、『人が好きな人』は『自分が好きな人』となり、

人に接するのが苦手な人』は『自分に接するのが苦手な人』ということになります。

 

一般論から言えば、『人が好きな人』の方が、この業界には向いているでしょう。

お客様の立場として、人が好きだっ!という人に接客されたら、そりゃ嬉しいですよね。

お客様もその人が好きになるから、サービス人もますますお客様のことが好きになる・・・

まるで『倍々ゲーム』のように、喜びは膨らんでゆくことになります。

これってサービス人としては、最高のパターンですよね~・・・

 

・・・しかし私は、『人に接するのが苦手だから、それを克服する為に仕事をする』人間に、

サービス人としての本当の価値を置きたいと思っています。

なぜなら、『克服』する姿勢こそが、人間の成長につながるものだからです。

そう、・・・成長を意識することの中に、人間本来の価値があるのだと、私は思っているからなのです。

 

この2つのタイプのそれぞれの価値観は、お互い相容れないものでしょう。

しかし、『お客様に喜んでいただく』という目的は共有している・・・

北海道にいる人と、沖縄にいる人が、同じ北極星を見つめながら進んでいく・・・感じですかね。

この『進んでいく』という行為こそが、人間性の成長であり、価値観の幅を広げていくことにつながるのだと

私は思っているのです。

 

在るものに満足せず、己を客観的に見つめ、偏った自分の心を絶えず矯正ししていく・・・

この様な生き方に私は魅力を感じています。

 

すみません、今日はまとまりが無かったですね(汗)

 

・・・それでは皆さん、おやすみなさい・・・

 

P.S.

新種の昆虫が、これは餌なのかどうかを考えている・・・写真ではありません。

入荷したスイスチャード(不断草)を水洗いしているシェフです。

 

 

フランス料理の『美味しすぎる』理由とは?・・・

フランス料理の『美味しすぎる』理由とは?・・・

こんばんは。

ラルドワーズの武丸でございます。

 

前回、『車海老のアメリケーヌ・グラタン』の衝撃について書きましたが、

そもそもなぜソースを、後から後から舐めたくなったのか?

 

・・・それは『美味しすぎる』からだったと私は思っているのです。

 

そもそも『アメリケーヌ』とは、フランス料理のソースの一種で、海老のエッセンスを凝縮したものなのですが、

グラタン(チーズを乗せてオーブンで焼く)にすることによって、味に濃厚さが加わり、さらに美味しくなる・・・

私は、これにやられた訳です。

 

このようにフランス料理は、料理を『美味しすぎる』ものに変える技法に長けたものだと言えると思います。

例えば海老であれば、刺身にしたり、加熱して寿司にしたり、あるいは天婦羅にしたり・・・

そのままに近い形で食べるのが美味しいと思うのですが、

フランス人は、それには飽き足らなかった。

海老の殻を炒めて、香味野菜を加え味を補填し、さらに煮詰め、生クリームで伸ばす。

・・・この『煮詰める』という作業に、フランス人の民族性が現れていると思うのです。

ただ海老を食べて美味しいではなく、もっともっと美味しくなるはずだ・・・

そこで彼等は、『火』を使って、海老から水分を抜き、そのエッセンスを抽出しようとした訳です。

そして、焼いた海老の上に、そのエッセンスをかけて食べたら、それは海老だけよりも美味しかった・・・

 

この様に、フランス料理の要諦として、『』と、素材に対する『探究心』が挙げられると私は思います。

素材の水分を抜く・・・という作業に、もともと狩猟民族であった彼等の『猛々しさ』を感ぜずにはいられません。

 

対照的に、日本料理は『』の料理と言えるのではないでしょうか?

日本料理の『だし』は、昆布、かつお節で調味するのですが、

成分的には、おそらく99%以上は『水』。

この『水』の上に、1%の味のエッセンスを乗せて『美味しい』と言わせる技術はすごいと言わざるを得ません。

 

この様に、フランス料理と日本料理、

『火』と『水』との対比に、それぞれの民族の文化観の相違が現れていると私は思うのです・・・

 

続きは又の機会に・・・

それでは皆さん、おやすみなさい・・・

明日が皆さんにとって幸せな一日でありますように・・・

 

P.S

再び、つまみ食いにチャレンジ!・・・しかし・・・

 

『フランス料理』との出逢い。そしてその衝撃!

『フランス料理』との出逢い。そしてその衝撃!

 

こんばんは。

ラルドワーズの武丸でございます。

皆さん、今日も一日お疲れ様でした・・・

 

今日は、私が初めて『フランス料理』と出逢った時のお話を少々・・・

 

当時私は20代前半で、大阪・梅田のド真ん中にあった、

当時流行の倉庫を改装したような、おしゃれなレストランに勤めておりました。

数百種類のカクテル、世界各国のビール、そして、おつまみ的な料理から、本格的な料理までを

幅広く取り揃えた欧風料理の数々・・・

その中に、思い出の料理はありました。

 

車海老のアメリケーヌ・グラタン』という一品です。

 

そのとき私は洗い場にいて、テーブルから帰ってきたお皿を一生懸命洗っておりました。

するとその中に、ソースだけが残された『車海老のアメリケーヌ・グラタン』があったのです。

すごく気になったので、いけないとは思いながらそのソースを指ですくって舐めたところ・・・

 

んん~っ?! ・・・ なんや、この味はっ?!

 

あまりの美味しさに、雷に打たれたような衝撃を受けました。

その後、何度も何度も、指ですくっては舐め、すくっては舐め・・・

味を確かめようと必死でしたが、その時は、身体の反応を抑えることができなかったと記憶しています。

 

・・・ソースが話しかけてきました。

『どうじゃ!ワシは美味しいじゃろ?もっともっとワシを舐めんかい!』

まるでソースに脅迫されているような感覚(笑)。

この時の感覚は、今も身体の中に染み付いていて離れようとはしません。

 

・・・この経験が、私のフランス料理探求の旅のスタートとなったのです。

フランス料理って、どれだけ凄いんだ? この美味しさの正体は一体何なんだろう?

この味の凄さを、お客様に対してどう表現したら良いんだろう?・・・

 

その後、色々な職場でサービスに携わりましたが、

これらの問い掛けを常に心の中で繰り返しながら、仕事をしてきたように思います。

そしてそれは、今も続いているのです・・・

 

次回は、このフランス料理の美味しさの正体について、自分なりの考察を述べたいと思います。

お楽しみに!

 

・・・そうそう、ラルドワーズにお越しいただければ、もっともっと詳しい話をさせていただけるかと(笑)

 

それではおやすみなさい・・・

 

P.S.

シェフが、『三良坂フロマージュ』さんのチーズを使った新しい料理を試作中のひとコマ。

つい興味があったので、つまみ食いをしようとした瞬間!!・・・

・・・この後の惨劇についてはコメントを差し控えたいと思います(笑)

 

『三次ワイナリー』さんのこと・・・

『三次ワイナリー』さんのこと・・・

こんばんは。

ラルドワーズの武丸でございます。

 

今日はワインの話を少々・・・

先日お伺いした『三次ワイナリー』の素晴らしいワインをご紹介したいと思います。

 

2015年ヴィンテージのワインを一通り飲ませていただきましたが、

特に印象に残ったのが、

TOMOÉメルロー と TOMOÉシャルドネ新月 でした。

 

これはあくまでも私の主観なのですが、三次ワイナリーに限らず、

日本のハイ・クオリティー・ワインは、果実味の透明感が素晴らしく、

素直な気持ちでワインと向かい合える、といったイメージでした。

 

噂に違わずこの2本とも、最初の飲み口で、テクスチャーのはっきりした果実味が口中に広がり、

いきなりテンション・アップ!

また何と言っても、後からついて来る感じの、果実味の中に溶け込んだ『樽香』・・・

そう! 醸造チームの強い意志を感じさせる『樽香』と『果実味』との絶妙なバランス。

キモをちゃんと押さえた素晴らしい2015年でした。

う~ん・・・。昼間っから至福の時を過ごさせてもらいました(笑)

 

料理とワインとの相性を示す言葉に、フランス語の『Mariage』(マリアージュ→結婚)という言葉が良く使われますが、

三次ワイナリーさんのワインからは、『結婚』といった究極的なイメージを見い出すことはできませんでした。

むしろ『Accompagner』(アコンパーニェ→寄り添う。並走する。)といったイメージが強い。

 

料理とワインが結婚して、円満な家庭を築いている、というよりも、

料理とワインは、結婚を前提として付き合っている、といったニュアンスを、三次ワイナリーさんのワインから感じました。

 

・・・でも考えてみたら、『結婚後』よりも、『結婚前』のほうが、楽しい思い出がいっぱいありましたよね!みなさん・・・

・・・って、この経験は私だけのものでしょうか?(笑)

それはともかく、今後の『三次ワイナリー』さんのリリース・ワインにご注目を!

 

あ~・・・夜風が心地良いですね。

皆さん・・・おやすみなさい。

 

P.S

下の写真は、営業終了後、キッチン内を掃除するシェフです。

開店してから10年・・・料理と掃除に手抜きなし!の姿勢を貫き通している姿をご覧下さい・・・